はじめに:愛犬のかわいいお顔が…涙やけの悩み、ありませんか?
愛犬のくりっとした瞳の周りに、茶色い涙の跡が…。せっかくの可愛いお顔が台無しに見えて、気になっている飼い主さんは多いのではないでしょうか。
「毎日こまめに拭いてあげているのに、どうしてすぐにまたついちゃうの?」
「これって、どこか体が悪いサインなのかな?」
…なんて、心配になりますよね。
実は、その頑固な涙やけ、もしかしたら毎日の「食事」、つまりドッグフードが大きく関係しているかもしれません。
もちろん、涙やけの原因は一つではありません。でも、体の中からケアしてあげることで、改善が期待できるケースもたくさんあるんです。
この記事では、なぜドッグフードが涙やけの原因になるのか、そして涙やけを改善するために食事で見直したい「3つのポイント」を、分かりやすく解説していきます。
フード選びの視点を少し変えるだけで、愛犬のキラキラした瞳を取り戻せるかもしれませんよ。
そもそも「涙やけ」って何?どうして起こるの?
涙やけのケアを始める前に、まずは敵の正体を知ることから始めましょう。
「涙やけ」という言葉はよく聞きますが、一体どういう仕組みで目の周りが茶色くなってしまうのでしょうか。
涙やけの正体は「涙」と「雑菌」
「涙やけ」という名前から、涙そのものに色がついていると思われがちですが、実はそうではありません。流れてくる涙自体は、私たち人間と同じで透明です。
涙やけの本当の原因は、涙で常に湿った状態になった目の周りの毛に、空気中のホコリや雑菌が繁殖してしまうこと。
その雑菌が、毛の色を赤茶っぽく変色させてしまうのです。
つまり、涙やけは「涙のシミ」というよりは、「雑菌による変色」とイメージすると分かりやすいかもしれません。
涙が溢れてしまう主な原因
では、なぜ涙が目の外に溢れ出てしまうのでしょうか。これにはいくつかの原因が考えられます。
一つは、トイプードルやチワワ、マルチーズといった犬種に多い、生まれつき涙を鼻に流すための管(涙管)が細かったり、詰まりやすかったりする体質的な問題です。
また、目にゴミや自分の毛が入ってしまったり、アレルギー反応で涙の量が増えたりすることも原因になります。
そして、今回のテーマである「食事」。
体質に合わないドッグフードを食べることで、涙の成分がドロドロと粘り気のあるものになり、細い涙管を詰まらせて涙が溢れやすくなる、というケースも少なくないのです。
まずは動物病院への相談も大切
食事の見直しを考える前に、一つだけ確認しておきたい大切なことがあります。それは、涙やけの原因が病気である可能性です。
例えば、まつ毛が眼球を刺激する「逆さまつげ」や、目の感染症、アレルギー性結膜炎など、治療が必要な場合もあります。
もし、「毎日ケアしているのに一向に良くならない」「目の周りをひどく痒がったり、痛がったりしている」といった様子が見られる場合は、自己判断せずに、まずは動物病院で獣医師さんに診てもらいましょう。
原因をはっきりさせることが、改善への一番の近道です。
ドッグフードが「涙やけの原因」になりうる理由
愛犬の体質や目の刺激だけが、涙やけの原因ではありません。
実は、毎日食べているドッグフードが、涙の質や量に影響を与え、涙やけを引き起こす一因になっていることがあるんです。
ここでは、フードがどのようにして涙やけに関係しているのか、その主な理由を3つのポイントから見ていきましょう。
理由1:消化しにくい原材料による体の老廃物
私たちの体も、消化に悪いものを食べると胃がもたれたりしますよね。
犬も同じで、消化しにくい食べ物は体に負担をかけてしまいます。
例えば、質のあまり良くないタンパク質や、犬がもともと消化を苦手とするトウモロコシや小麦といった穀物がフードに多く含まれていると、うまく消化しきれずに体の中に老廃物として溜まりやすくなります。
この老廃物が、涙の成分をドロドロにしてしまい、結果として涙管を詰まりやすくさせ、涙やけにつながってしまうのです。
理由2:フードに含まれるアレルゲン
特定の食べ物に対してアレルギーを持っている犬は少なくありません。
牛肉や乳製品、小麦、大豆などが、犬にとってアレルゲン(アレルギーの原因物質)になりやすいと言われています。
もし愛犬が、フードに含まれる何らかの食材にアレルギー反応を起こしている場合、その症状の一つとして、涙の量が異常に増えてしまうことがあります。
また、アレルギーによって目の周りにかゆみや炎症が起き、それが涙やけを悪化させる原因になることも考えられます。
理由3:油分の酸化や人工的な添加物
ドッグフードには、犬のエネルギー源や皮膚の健康のために、適度な油分が含まれています。
しかし、この油分、開封した瞬間から空気に触れてどんどん酸化が進んでいきます。
酸化した油は、犬の体にとっては良くないもので、体のデトックス機能に負担をかけてしまうことがあります。
また、フードの色を良く見せるための着色料や、長持ちさせるための合成保存料といった人工的な添加物も、体質に合わないと体の老廃物を増やす原因になります。
これらの負担が積み重なることで、老廃物が涙として排出されやすくなり、涙やけにつながるのです。
涙やけ改善のために!ドッグフードの食事で見直したい3つのポイント
涙やけとフードの関係がわかったところで、いよいよ実践編です。
愛犬の涙やけを改善するために、ドッグフードを選ぶ際にどんな点に気をつければ良いのでしょうか。
ここでは、フードのパッケージ裏の原材料表示を見ながらチェックできる「3つのポイント」をご紹介します。
この視点を持つだけで、フード選びがぐっと楽になりますよ。
ポイント1:主原料は「良質なタンパク質」かチェック
まず最初に見てほしいのが、原材料表示の一番最初に書かれているものです。
原材料は、含まれている量が多いものから順番に書くというルールがあります。つまり、一番最初に書かれているものが、そのフードのメインとなる食材ということです。
涙やけ対策で選びたいのは、チキン(鶏肉)やサーモン(鮭)、ラム(羊肉)といった、良質で消化しやすい動物性タンパク質が主原料になっているフードです。
消化しやすいタンパク質は、体の中で老廃物になりにくく、涙の質をサラサラに保つ手助けをしてくれます。
「ミートミール」や「肉副産物」といった表記のものは、どの部位が使われているか分かりにくいので、できれば「骨抜きチキン」のように、具体的な食材名が書かれているものを選ぶとより安心です。
ポイント2:「グレインフリー」や「アレルゲン」を意識する
次に注目したいのが、穀物の有無です。
犬はもともと肉食寄りの動物なので、トウモロコシや小麦といった穀物の消化があまり得意ではありません。
消化の負担になるだけでなく、アレルギーの原因(アレルゲン)にもなりやすいと言われています。
もし、今あげているフードにこれらの穀物が多く含まれているなら、一度「グレインフリー(穀物不使用)」のフードを試してみる価値は十分にあります。
また、日頃から愛犬の様子をよく観察して、「このおやつをあげると体を痒がるな」といったことがあれば、その食材がアレルゲンかもしれません。
アレルギーが涙の量を増やしている可能性も考えて、原因になりそうな食材を避けてあげることも大切です。
ポイント3:不要な「人工添加物」が入っていないかチェック
ドッグフードには、品質を保つための酸化防止剤や、見た目を良くするための着色料などが使われていることがあります。
もちろん、安全基準を満たしたものが使われていますが、これら人工的な添加物は、犬の体にとっては余計なものであり、分解するために体に負担をかけてしまう可能性があります。
特に、BHA、BHT、エトキシキンといった合成の酸化防止剤や、赤色〇号、青色〇号といった着色料は、できれば避けたい添加物です。
ローズマリー抽出物など、天然由来の成分で品質を保っているフードもたくさんあります。
できるだけ原材料がシンプルで、余計なものが入っていないフードを選んで、愛犬の体への負担を軽くしてあげましょう。
食事だけじゃない!涙やけを悪化させないための日常ケア
ドッグフードを見直す内側からのアプローチと並行して、外側からのケアも涙やけ対策には欠かせません。
食事改善の効果を最大限に引き出すためにも、ここでご紹介する3つの日常ケアをぜひ習慣にしてみてください。
目の周りを清潔に保つ正しい拭き方
涙やけケアの基本は、なんといっても「清潔を保つ」ことです。
涙で濡れたまま放置すると、そこが雑菌の温床になってしまいます。涙が出ていることに気づいたら、こまめに拭き取ってあげましょう。
その際、乾いたティッシュでゴシゴシこするのはNG。皮膚を傷つけてしまい、かえって炎症を悪化させる原因になります。
涙やけ専用のケアローションを使うか、なければ人間用のコットンをぬるま湯で湿らせたもので、優しく押さえるように涙を吸い取ってあげてください。
目頭から目尻に向かって、そっと拭うのがポイントです。
目の刺激になるものを避ける(被毛のカットなど)
目の周りの毛が伸びて、眼球をチクチクと刺激していることが、涙が増える原因になっているケースもよくあります。
特に長毛の犬種は、目の周りの毛が目に入らないように、定期的にトリミングサロンでカットしてもらったり、自宅で少し整えてあげたりすると良いでしょう。
また、シャンプーの時も注意が必要です。
シャンプー剤が目に入ると、強い刺激になって涙が止まらなくなることがあります。
顔周りを洗うときは、お湯で濡らしたガーゼなどで優しく拭くようにして、シャンプー剤が直接目に入らないように気をつけてあげてください。
水分補給で老廃物の排出を促す
体の中に溜まった老廃物をスムーズに排出するためには、十分な水分補給がとても大切です。
おしっこと一緒に老廃物を体の外に出すことで、涙に含まれる老廃物が減り、涙がサラサラになる効果が期待できます。
いつでも新鮮な水が飲めるように、お部屋に数カ所水飲み場を用意してあげたり、ドライフードをぬるま湯でふやかして食事と一緒に水分を摂らせてあげたりするのも良い工夫です。
特に夏場や運動の後は、意識して水分を摂らせてあげるようにしましょう。
【Q&A】涙やけとドッグフード、よくある質問
食事やケアについて色々と見直してみても、「こういう時ってどうなんだろう?」と新たな疑問が出てくることもありますよね。
ここでは、涙やけとフードに関する、飼い主さんからよくいただく質問にお答えしていきます。
Q. フードを変えたら、どれくらいで効果が出る?
A. 体質改善には少し時間が必要です。
最低でも2ヶ月から3ヶ月は、じっくりと様子を見てあげてください。
フードを切り替えて、すぐに効果を期待してしまう気持ちはよく分かります。ですが、体の内側から体質を変えていくには、ある程度の時間が必要です。
細胞が新しく生まれ変わるサイクルを考えると、すぐに結果が出なくても「うちの子には合わなかったんだ」と諦めてしまうのは、少し早いかもしれません。
焦らず、気長に続けてみることが大切です。
Q. 手作り食にするのは効果的?
A. アレルギーの原因となる食材を完全に避けることができる、という点では効果的かもしれません。
しかし、栄養バランスの整った食事を手作りし続けるのは、非常に知識が必要で大変な作業です。
タンパク質や脂質、ビタミン、ミネラルなど、犬に必要な栄養素をすべて計算して、毎日完璧なごはんを作るのは、専門家でも難しいもの。
栄養が偏ってしまうと、涙やけとはまた別の健康問題が出てくる可能性もあります。
まずは、栄養バランスが考え抜かれている、信頼できるドッグフードで改善を目指すのが現実的な方法だと私は思います。
Q. 「涙やけサポート」のサプリメントってどう?
A. 体の中の老廃物を排出するのを助けたり、腸内環境を整えたりする効果が期待できるサプリメントもあります。
ですが、サプリメントはあくまで「補助」として考えるのが良いでしょう。
基本は、やはり毎日の食事です。
バランスの取れた良い食事で体の土台を整えた上で、プラスアルファとしてサプリメントを検討するのがおすすめです。
もし使用する場合は、どんなサプリメントが愛犬に合っているか、一度かかりつけの獣医師さんに相談してから始めると、より安心ですね。
【参考】涙やけ対策におすすめのプレミアムドッグフードとは?
フード選びの3つのポイントをご紹介してきましたが、「その条件に合うフードって、探すのがなかなか大変そう…」と感じた方もいるかもしれません。
そんな時に、選択肢の一つとして知っておくと便利なのが「プレミアムドッグフード」です。
なぜプレミアムフードが涙やけに良いと言われるの?
プレミアムドッグフードが涙やけ対策としてよく名前が挙がるのには、理由があります。
それは、これまでお話ししてきた「良質なタンパク質が主原料」「グレインフリー(穀物不使用)」「不要な人工添加物は使わない」といった、涙やけ対策で重視したいポイントを満たしている商品が多いからです。
消化吸収に優れた原材料を使っているため、体の中の老廃物が溜まりにくく、涙の状態をサラサラに保つ手助けをしてくれます。
その結果、涙管の詰まりが改善され、涙やけがスッキリしてくる、というわけなんですね。
涙やけ対策で評価の高いフードの例
「じゃあ、具体的にどんなフードがあるの?」と思いますよね。
涙やけに悩む多くの飼い主さんから「これを試したら改善した」という声がよく聞かれるフードを、参考までにいくつかご紹介します。
モグワン
このフードは、上質なチキンとサーモンを主原料にしていて、犬の食欲をそそる自然な香りが特徴です。
もちろんグレインフリーで、消化しにくい穀物は使っていません。
良質な動物性タンパク質をしっかり摂れるので、涙やけ対策の第一歩として選ぶ方が多いフードです。
カナガン
こちらもチキンをたっぷり使ったグレインフリーのフードです。
犬が本来持っている消化能力に合わせて、体に負担をかけにくい食材を厳選して作られています。
不要な添加物も使っていないので、デリケートなワンちゃんでも安心して試しやすいのが嬉しいポイントです。
フード選びで一番大切なこと
いくつか具体的なフードを挙げましたが、一番大切なことをお伝えします。
それは、どんなに評判が良いフードでも、「最終的に、あなたの愛犬の体に合うかどうかが全て」だということです。
犬にも人間と同じように個性や体質があります。
Aちゃんにはすごく良かったフードが、Bくんには合わない、なんてことは日常茶飯事です。
価格や口コミだけで判断せず、まずはお試しサイズの少量パックなどを活用して、愛犬のウンチの状態や毛並み、元気があるかなどをしっかり観察しながら、その子にとってのベストなフードを見つけてあげてくださいね。
まとめ:毎日の食事を見直して、スッキリきれいな目元を目指そう!
今回は、多くの飼い主さんを悩ませる「涙やけ」と、毎日の「ドッグフード」との関係についてお話ししてきました。
涙やけの正体は、涙で湿った場所に雑菌が繁殖してしまうこと。
そして、その涙が溢れ出てしまう原因の一つに、消化しにくい原材料やアレルゲン、添加物などを含むフードが関係している可能性があることをお伝えしました。
涙やけを改善するためのフード選びのポイントは、
- 主原料が「良質なタンパク質」であること
- アレルギーを考慮し「グレインフリー」などを意識すること
- 不要な「人工添加物」が入っていないこと
この3つでしたね。
もちろん、フードを見直したからといって、明日すぐに涙やけが消えるわけではありません。効果には個体差がありますし、少し時間もかかります。
大切なのは、焦らずに愛犬の体調やウンチの状態などをよく観察しながら、「この子に合うかな?」と見守ってあげることです。
毎日の食事は、愛犬の体を作る基本です。内側からのケアをコツコツと続けて、スッキリきれいな愛しい目元を目指してあげましょう。